会長挨拶

 私は、1994年に二期生として、まだ生まれたばかりの会津大学の門を叩きました。当時は、大学として当たり前の設備もすべては完成していませんでした。今のような立派な講堂がなく、入学式の際には会津風雅堂まで出かけていたこと、研究棟から講義棟へ続く廊下が完成しておらず、鉄パイプで組まれた工事用の足場を通って移動していたこと、学生ホールや食堂が完成しておらずお昼には宅配弁当を争って買っていたこと、運動場が完成しておらず短期大学部のグラウンドをお借りしていたことなど、様々な苦労を思い出します。あれから二十年以上が経ち、先に挙げたような設備は元より、産学官連携の拠点となる「産学イノベーションセンター」や大学構内に世界各国から集まった仲間と住める「創明寮」など、他大学に勝るとも劣らない立派な大学へと成長しており、「今の大学で再びキャンパスライフを過ごしてみたい」と在校生の方々を少し羨ましくも思います。
 さて、日本初のコンピューター単科大学である会津大学から巣立って行った同窓生は4,000名以上になります。また会津大学から発生したベンチャー企業も公立大学トップとなっており、ICT業界における会津大学ならびに会津大学同窓生のインパクトは非常に大きくなってきています。ICT業界全体がオープンイノベーションにより組織の枠組みを超えて連携しようとしているこの時代に、産学官に広く根を生やしている会津大学を中心としたネットワークは、私たちにとっても、また業界にとっても非常に大きな力であると認識しています。私たち同総会は「つながり」「建学の精神」「堅実・信頼」を活動の指針としていますが、特に同窓生、在校生、教職員、地域をつなぐ懸け橋として「つながり」を重視し、このネットワークを更に大きく強固にして行きたいと考えています。これまでも同窓会として様々な交流の場を提供してきましたが、以前の交流の場では「仕事が辛く会社を辞めようと思っていたが、久しぶりに仲間と会えてもう一度頑張る元気が出てきた」という同窓生の方がいらっしゃいました。3Kと呼ばれて久しいこの業界ですが、仲間と寄り添えば乗り越えられる壁も多く、同窓会の役割の大きさを強く認識し直しました。
 これから三十周年、四十周年、五十周年、…を迎えるにあたり、会津大学の存在感はますます大きくなっていくことと存じます。私たち同窓会も会津大学と共に成長を続けて行きます。会津大学におかれましても、今後とも大きく変動していく世界に合った特色ある大学作りをいっそう推進し、ますます発展していかれることを祈念また期待いたします。
同窓会会長 野山孝太郎

同窓会会長
野山 孝太郎


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